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神奈川県鎌倉市(最寄駅は大船)在住の行政書士の日記


by o-yasumaru

日本経済 ~優等生であり続ける必要はあるのか?~

本日、商工会議所主催の経済講演会があり、拝聴してきました。

テーマは、「今後の日本経済と私たちの生活」です。

この仕事には、経済の動向をよく知っておくことも重要だと思い、

興味を持って参加させていただきました。

講師は、帝京大学経済学部教授の方でした。

経済学部教授ではありますが、東京工業大学ご出身ということもあって

でしょうか、日本の科学技術、とりわけ、中小企業のものづくり力が

話の中心でした。

いろいろと共感しながら聴かせていただきましたが、特に共感したところが

あり、少しご紹介しますね。

教授曰く、今の日本は、自動車産業などは、若干、韓国や中国に押され気味である。

それを、日本人は追い越されまいと必死に頑張ろうとする。

それはそれでいいことではあるが、少し視点を変えてはどうだろうか?

今、日本は自動車産業などだけではなく、世界一の技術力を持っている分野がいくつもある。

特にナノテクノロジー分野やロボット分野は、世界一である。

しかしながら、自動車産業でも世界一であろうと必死で頑張っている。

教授は、以前、イギリスかドイツの方に、こういう話を聞いたことがあったそうです。

「日本も昔は我々の国を追い越して行ったじゃないか。」「でも、我々は、その時にも

自分の国の技術や伝統を誇りに思っていたし、今も誇りに思っている。」

「だから、たかが一分野、二分野追い越されても問題ない。」と。

だから、今の日本も、過去のヨーロッパと同様に考えてはどうか?

ここまで、追い付き追い越せでがむしゃらにやってきた。

そして、世界の誰もが認める経済大国にまでなった。

ここからは、国民個々の豊かさを求めていっていいのではないか?

日本には、古くから伝わる伝統があり、これまた世界で高く評価されているものが多い。

浮世絵しかり、俳句しかり、源氏物語などにおいては、数カ国で翻訳されている。

そういう、世界に誇れる伝統を持っており、かつ日本でなければ、日本人でなければ

できない技術をたくさん持っている。

これらに誇りを持って、自信を持って、この時期に立ち向かえば、必ず景気は良くなるのだ。

というお話でした。

私も、同様なことをよく考えます。

日本は、これ以上優等生である必要は本当にあるのだろうか?

これから先も、優等生で、絶えず何をするにも一番を維持しなければならないのだろうか?

それが、日本の国際的な役割なのだろうか?

それが、国民個々のレベルでの幸せなのだろうか?

例えば、ある優等生君がいるとします。

彼は、小学校1年生から6年生まで、すべての教科において常に学年トップ。

国語・算数・理科・社会と100点満点のオンパレードです。

優等生君は、当然周りの信頼も厚く、頼られる存在となります。

周りの友達は、勉強しても成績が上がらないのに、優等生君は、勉強すればするほど

成果が出る。

羨ましがられる毎日。

でも、優等生君は、決して今の自分に満足できません。

いつも、何かに追われるような気持ちでいっぱいです。

なぜなら、優等生君は、今の自分を維持しようと必死だからです。

「落ちた自分の周りには誰もいなくなるのだろうか?」

そういう不安に駆られ、自分に鞭を打ってひたすらに走っている。

安らぐ暇もありません。

そんな中で、優等生君は中学に進学。

どうにも勉強がはかどらず、とうとうトップの座から落ちてしまいました。

もう自分の周りには誰もいない、、、。

そう思って、ふと顔をあげると、そこにはいつもと変わらぬ親の顔や

友達の顔、笑い声があった。

優等生君は、そこで気がつく。

自分は、いつも100点満点じゃなくてもいいんだ。

だって、自分は100点満点じゃなくなったけど、友達はそばにいてくれるじゃないか。

少し安心し、落ち着いた優等生君は、さらに気がつきました。

それは、自分の本当の姿です。

100点満点の人なんていない、誰もそんなことを自分に求めていたんじゃない。

100点満点だから、友達がいたんじゃないんだ。

そう思えるようになると、優等生君はすごく気持ちが楽になって、心が豊かになりました。

そして、以前のようにがむしゃらにしなくても、自分に自信が持てるようになりました。

そうすると、今まで以上に友達も増えました。

優等生君は、幸せな気持ちでいっぱいになりました。

どうです?今の日本は国際社会の中で常に100点満点の優等生であろうとしすぎでは

ないでしょうか?

すでに、国が抱える借金の多さでは、100点満点ではなくなっています。

でも、世界の最先端の技術力や芸術など、今まで培ってきたたくさんの世界に誇れる

ものがあるんです。

こんな時だからこそ、日本の良いところ、これまで培ってきたものに自信を持っていこう。

少し、ゆっくりじっくりしてみよう。

そういう考え方もあるのではないでしょうか。

教授のお話の内容は、完璧なメモによるものではなく、かつ、私の斟酌も含めていますので

必ずしも、実際のお話の内容とは合致しない部分があることをご了承ください。

Webマガジン「B-plus」にて、インタビューが掲載されました。

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インタビュー記事はこちらをクリック

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by o-yasumaru | 2010-06-24 00:29